Web3の概念から生まれた新しい組織のあり方「DAO」
「Web3」の概念から生まれてきた新しい組織のあり方「DAO」。従来の組織は経営層や株主が運営方針を決定し、利益も経営層や株主に集中していた。DAOは参加者全員で運営方針を決め、利益も分散する仕組み。
公平な運営を期待して世界中の人たちがDAOをつくりはじめている
ブロックチェーンで投票や利益の分散を管理し、公平に運営できると期待される。世界中の人たちがDAOをつくりはじめている。ファストフード業界に魅力を感じる人たちが集まるDAOでは実際の店舗買収の話も。
山古志村に世界中から900人のデジタル村民が参加、人口減が進む集落を守ろう
山古志住民会議は人口減が進む山古志(新潟・長岡市)の集落を守ろうというDAO。名産の錦鯉がモチーフのNFTアートを発行し、約900人のデジタル村民が世界中から参加している。
Web3はインセンティブ革命。ユーザーにも利益の分配が行くように
従来はプラットフォーム企業にいろんなデータが集まって場の価値が高まっていたが、Web3ではユーザーとして使ったりデータをアップしたりして貢献した人にもちゃんと利益の分配が行くようになっている。
利益はトークンで受け取り、DAOの方針決定に関われる
利益は現金でなくトークン(ブロックチェーンを利用して発行された暗号資産)で。通貨のような役割だけでなく、DAOの運営を支える証券のようなトークンも存在。トークンを購入するとDAOの方針決定に関われる。
トークンは実際のお金に換金でき、投票権の付いたガバナンストークンも
トークンは実際のお金に換金もできるし、価値が上がるのを待つこともできる。ガバナンストークンには投票権もついている。新しいことをみんなで決められるのもWeb3の特徴だ。
「DAOは緊急支援する時に向いている」と起業家・慎泰俊さん
起業家・慎泰俊さんが注目するのはウクライナを支援するような募金系のDAO。「DAOは本当にすぐ作れる。NPOだと登記が必要だけどDAOはいらない。緊急支援する時にはかなり向いていると思います」
「全国の空き家を活用するDAOに注目」とアーティストの草野絵美さん
「DAOによって全然目的が違う。AkiyaDAOっていう空き家活用を目的としたDAOは、全国の空き家を活用してトークンを持っている人はどこでも泊まれる」とアーティストの草野絵美さん。
民主主義や資本主義の根幹をWeb3ならみんなで体験できる
「投票という民主主義の根幹だったりインセンティブ革命という資本主義だったり、国や行政単位でしか実験できなかったことが、Web3ではみんなでできる時代なんですよね」とIT批評家の尾原和啓さん。
Web3から生まれた決定権も利益も公平な新しい組織「DAO」
令和ネット論
インターネットの新たな概念「Web3」は、組織のあり方も変えようとしている。それが「DAO」という、特定のリーダーを作らずに参加者全員で意思決定を行う「分散型自律組織」だ。2022年はDAOの年と言われ、共通の目標や価値観を持つ世界中の人たちが、立場に関係なく様々なDAOをつくりはじめている。その事例を紹介すると共に、DAOで組織のあり方が変わることの意義を語る。(令和ネット論)