日本最古の天然塗料・漆(うるし)の産地で作る漆器(しっき)・浄法寺塗
漆は縄文時代から使われてきた日本最古の天然塗料。岩手県二戸市浄法寺町は古くから漆の産地として名高い。この地に伝わるのが浄法寺塗と呼ばれる漆器。寺の僧侶が使う器を地元の漆で作ったのが始まりとされる。
1本の木からとれる漆は年200cc「漆の一滴は血の一滴」
国内で採れる漆の7割が浄法寺産。20年ほどかけて育てた漆の木に、少しずつ傷をつけて染み出す樹液をとる。1本から1年間にとれる漆はおよそ200cc。漆かき職人の間では「漆の一滴は血の一滴」と言われる。
塗師が塗り終えた後も変化・漆は生きている
塗師が塗っては乾かすを7回繰り返すことで漆塗りのお椀はなめらかな手触りを身にまとう。漆は塗り終わった後も変化してゆく魔法の塗料。漆器は使えば使うほど艶が増し、手に馴染んでいく。「漆が生きている」証だ。
使うほど変化する「漆器」漆の産地・浄法寺から~
美の壺
縄文時代から使われてきた日本最古の天然塗料の漆。漆塗りの漆器は日常の食卓や祝いの席を彩ってきた。国内で採れる漆の7割を生産する岩手県二戸市浄法寺町。20年ほどかけて育てた漆の木から、毎年6月から10月にかけて漆を採取する。漆は、塗り終わった後も変化してゆく魔法の塗料なのだとか。使えば使うほど艶が増し、手に馴染む不思議な器。「漆は生きている」と言われるゆえんだ。(美の壺)