アインシュタインの偉大な発見のなかでも大きな注目を集めた相対性理論
アルバート・アインシュタインは数々の偉大な発見を成し遂げた。なかでも大きな注目を集めたのが相対性理論。原子にばく大なエネルギーが秘められていることを理論化した。
後進の科学者たちが相対性理論を磨き上げ、核というパンドラの箱を開ける
「E=mc²」は少量の物質が大量のエネルギーに変換されることを示す。相対性理論は後進の科学者たちに磨き上げられ、ついに核というパンドラの箱を開けた。ロバート・オッペンハイマーは“原爆の父”と呼ばれる。
第二次世界大戦で兵器の開発競争が進む中、原子爆弾に集まる注目
1939年9月、ドイツがポーランドに侵攻し第二次世界大戦が始まった。世界各国は強力な兵器の開発を進める。なかでも最新鋭の兵器として注目されたのは原子のエネルギーを利用する爆弾だった。
アインシュタインの相対性理論が明らかにした原子の力で爆弾をつくり出す
アインシュタインの相対性理論が明らかにした原子の力。原子核を分裂させることでばく大なエネルギーが放出される。このエネルギーを利用すれば強力な爆弾をつくり出せると考えられたのだ。
原子爆弾の研究が競争化するなか最も進んでいるのはドイツと考えられていた
世界各国で原子爆弾に関する研究が本格化する。なかでも研究が最も進んでいると見られていたのがドイツだった。世界で初めてウランによる原子炉・ハイガーロッホ研究炉を建造し実験も進めていた。
ヒトラーに焦りを募らせたアインシュタインはルーズベルト大統領に書簡を送る
ヒトラーが世界に先駆けて原子爆弾を手にすると焦ったアインシュタインはルーズベルトに書簡を送る。「親愛なるルーズベルト大統領。過去4か月の間に大量のウランによる核連鎖反応が現実のものとなってきました」
アインシュタインの進言を受け、原子爆弾の開発に着手するルーズベルト大統領
「これが近い将来成し遂げられるのは確実であると思われます。アメリカ政府も核分裂を研究している物理学者と緊密に連携をとり、研究を加速させることをご検討ください」ルーズベルトは原子爆弾の開発に着手する。
ヒトラーはユダヤ人であるアインシュタインの研究を忌み嫌っていた
しかしドイツは原子爆弾の開発を進めてはおらず、開発していた新兵器は弾道ミサイルV2ロケットだった。ヒトラーは原子爆弾をユダヤ人アインシュタインの研究から始まったユダヤ的科学と忌み嫌っていたと言われる。
ドイツ降伏後、ついに原子爆弾が完成し、人類初の核実験・トリニティ実験が行われる
1945年5月ドイツ降伏。ドイツでは原子爆弾の開発は行っていなかった。それでもアメリカは核開発を止めない。7月16日、ついに原子爆弾が完成し、人類初の核実験が行われる。いわゆるトリニティ実験だ。
広島と長崎への原爆投下で21万人の命が奪われた
その3週間後、原子爆弾を積んだB29が向かった先は日本だった。1945年8月6日広島へ原爆投下。広島ではウラン型の爆弾で14万人の死者、8月9日長崎ではプルトニウム型の爆弾で7万人の命が奪われた。
第二次世界大戦が終結し、米ソ冷戦の時代に突入~自責の念に苛まれるアインシュタイン
第二次世界大戦が終結しても核開発競争は終わらなかった。世界は米ソが核の脅威を突きつけ合う冷戦の時代へと突入する。アインシュタインは核の恐怖に覆われた世界を目の当たりにし、自責の念に苛まれるようになる。
「私は人生で大きな間違いを一つ犯しました」アインシュタインの悔恨
「私は人生で大きな間違いを一つ犯しました。原子爆弾を作るようルーズベルト大統領に勧める手紙に署名したことです。ドイツが原子爆弾の製造に成功しないと知っていたならば、私は指一本動かさなかったでしょう」
世界に向けて核兵器の廃絶を訴えかけるアインシュタイン
アインシュタインは世界に向けて核兵器の廃絶を訴えかけるようになった。「未来の紛争を想定して行動している限り平和は実現不可能です。大量破壊兵器に限らず、断固として暴力を放棄することが絶対に必要です」
【相対性理論4歴史編】天才アインシュタインが犯した間違いとは
映像の世紀 バタフライエフェクト
原子にばく大なエネルギーが秘められていることを理論化したアインシュタインの相対性理論。後身の科学者によって磨き上げられ、ついには核というパンドラの箱を開けた。しかし、アインシュタインは核の恐怖に覆われた世界を目の当たりにし、自責の念にさいなまれるように。天才アインシュタインが犯したという一つの“間違い”に迫る。(映像の世紀バタフライエフェクト)