銀河と銀河の衝突。無数の銀河が存在する宇宙では決して珍しくない。それは私たちがいる天の川銀河も例外ではない。

２０１８年１１月、かつて天の川銀河で大衝突が起きたことが証明された。ガイア衛星が捉えた広大な範囲の宇宙地図から、天の川銀河の回転とは異なる運動をする天体を分析することで判明した。

衝突はおよそ１２０億年前。現在の天の川銀河の１／１０程度の大きさの銀河「ガイア・エンケラドス」が衝突。銀河が衝突しても中にある星はぶつからずすり抜ける。その後何度か衝突を繰り返し、１００億年前に合体。

銀河の大衝突は２０億年間続いた。その間に「スターバースト」と「超新星爆発」が起こった。スターバーストとは星の誕生が一斉に起こること。そして超新星爆発とは質量の大きな星が核融合を終えた後に起こる爆発。

天の川銀河のあちこちで起きた超新星爆発とスターバースト。その２つがないと天の川銀河は生まれなかったという。天の川銀河ではその後、１００億年以上銀河の衝突が起こっていない。

宇宙の始まり「ビッグバン」後のシミュレーション。およそ１００万個の銀河のうち、天の川銀河のように長い時間衝突していない銀河はわずか６つ。奇跡的に安定した環境で地球が生まれ、多様な命がはぐくまれた。